こぎん刺しに使う布について

良く使われる布

こぎん刺しの基礎知識でも触れたとおり、かつては麻の布を使用していましたが、現在ごく一般的に使われる布はコングレスと呼ばれる刺しゅう専用の布です。綿100%の平織りの布で10cm辺りの目数は約70目。太目の経糸(たていと)と緯糸(よこいと)でしっかりと織られていて織り目が崩れることはありませんのでこぎん刺しに適しています。この他、コングレスと同様に織り目がはっきりしていて数えることができる布であれば大抵の物は使用できます。

コングレス

目数を数えることができない生地にこぎん刺しをする場合

目数を数えることが出来ない布、いわゆる普通の布やデニムなどにこぎんを刺したい場合は抜きキャンバスを使います。抜きキャンバスとは張りのある網状の布で、これをこぎんを刺さしたい布に重ね、固定するために四方にしつけ縫いをします。あとは普通にこぎんを刺すように抜きキャンバスの目数を数えて布と一緒に刺していきます。最後まで刺し終えたら抜きキャンバスのしつけを解いた後、抜きキャンバスの縦糸と緯糸を丁寧に抜いていきます。これでこぎんの模様だけが布に残る事になります。抜きキャンバスはこぎん刺し専用の材料ではなく、クロスステッチなど他の刺繍にも使えますし、布にイニシャルなどの文字を刺繍したい場合も役立ちます。目数が数種類ありますのでお好みのものを選んでお使いください。

抜きキャンバス

ダンガリー生地で仕立てたバッグに抜きキャンバスを用いてこぎん刺しを施した作品。
図案は"猫のまなぐ"です。"まなぐ"とは津軽弁で眼の事。つまり猫の眼の模様という意味です。

 

こぎん刺し

平織りのダンガリー生地に5番の刺繍糸で刺しました。

 

抜きキャンバス

カラシ色の生地がコングレス、白色の透けた生地が抜きキャンバスです。この抜きキャンバスは10cm辺り56目となっています。コングレスは10cm辺り70目ですので、双方に同じ目数の模様をさした場合、抜きキャンバスに刺したほうが大きく仕上がります。

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